目次
アパートのプロパンガス料金が高くて、困ってます。
プロパンガスは生活に欠かすことのできないライフラインであり、かつ季節商品としての側面も持っています。つまり、冬場の消費量の方が圧倒的に多い、そういう商品です。
料理は一年中するでしょうし、お風呂にも一年中はいるでしょうが、お湯を沸かすのに使うガスの量、これが「夏場」と「冬場」では全然違います。
寒い時期の方が圧倒的に消費量が多い。
だから、夏場はガス料金への意識が薄れるのですが、秋になってだんだん涼しくなって、ガスの消費量が増えてきて、冬になってピークを迎えて、「ひゃー、ガス代が高いーー!!!」となるケースが多いです。
まあ、目が飛び出るほどじゃないかもしれませんが、ともかく請求書の金額を見てはじめて気づく方が多いんです。これはある意味では仕方のないことかも知れません。ガス代がそれほど高くないと、なかなか実感ってわかないですからね。
ですから、ガスの使用量が増える冬場以外のシーズンで、安いプロパンガス会社を探している方っていうのは、とても意識が高い人です。
ちなみにガスの検針票はたいてい、「使用量」と「請求金額」しか載っていないため、使った量に対してその料金が高いのか、安いのか、一見しただけではよく分かりません。
プロパンガスの料金を計算する には、いまのガス代が高いのか、安いのか、それを判断するためには、「基本料金」と「従量単価」を知る必要があります。
思いどおりにいかない「賃貸住宅」のガス問題
ただ、お問い合わせをいただくなかで、やはり「賃貸アパート」だけは、なかなか思い通りにいきません。
なぜ思い通りにいかないかといえば、通常、一戸建て住宅の場合なら「あたな」と「ガス屋さん」だけの関係ですが、賃貸住宅の場合はそこに「大家さん」や「管理会社」といった第三者が関係してきます。
ここがどうしても「ひずみ」を作ってしまう原因なんですが。
こちらのエントリーをお読みいただくと分かりますが、アパートの入居者って、自分で使うガス会社を選べないんです。
-
【悲報】料金が高くても賃貸アパートのプロパンガス会社は変更できない。
続きを見る
もちろん、アパートのなかでガスを使うのは「あなた」だし、ガス会社と契約して使用量を支払うのも「あなた」なのですが、どこのプロパンガス会社を使うか? ここに関しては、あなたに選ぶ権利がない。
利用者が自分で使うガス会社を選べない状況になっているので、入居者にとって不都合なことが起こりやすい。
都市ガスと比べて、プロパンガスは料金が高い!と言われるわけですが、プロパンガスの料金相場 が高くなってしまうのには、こういったアパート、マンションなどの集合住宅(賃貸住宅)の事情も、おそらく影響しているでしょう。
悪い意味で相場を底上げしているはずです。
ココがポイント
アパートの入居者はガス会社を選ぶことができない
【結論】なぜアパートのプロパンガス料金は高いのか?
単価が500円だろうと、600円だろうと、入居者がいくら「料金が高い!!」と不満を漏らしたところで、切り替えられる心配がないのですから、ガス会社側がどのような心境になるかというのは、想像に難くないはずです。
極端なはなし、単価300円でも、2倍の単価600円でも、どちらでもLPガスを買ってもらえるというのであれば、ガス屋さんは間違いなく単価600円で売りますよね?
もちろんほかにも色んな事情はありますが、シンプルに見れば、アパートなどの賃貸住宅のプロパンガス料金がどうして高くなるのか? の答えはこれです。
ココがポイント
入居者に選択権がないため、どうしても料金が高くなりがちに
(→なぜならガス会社は他社に切り替えられる心配がないから)
ガス代が高くて困ってるのに、どうしたらいいの・・・と思われたかもしれません。節約以外にできる方法、選択肢をいくつかご紹介していますので、こちらのエントリーを参考にしてください。
-
【必読】賃貸マンション・アパートのプロパンガス料金値下げ交渉術
続きを見る
ガス料金を少しでも値下げできれば万々歳かもしれないですし、ひとによっては潔く「都市ガスの物件に引っ越す」という選択をされたかもしれません。都市ガスのアパートであれば、ガス代で嫌な思いをする心配はないですからね。
賃貸アパートだけど、安いプロパンガス会社に変更したい
さらに行動力のある方であれば、いまのアパートに暮らしながら、安いプロパンガス会社に変更する というのも決して不可能ではありません。ただ、当然ハードルは高いです。ですので状況によりけりという部分はあります。
ガス会社の切り替えに関する別エントリーがありますので、こちらも参考にしてください。
-
高すぎる賃貸アパートのプロパンガス会社を変更・切り替える方法
続きを見る
ポイントはいくつかありますが、大きな関門としては、
- 大家さんに直接相談できるか?
- ガス会社の変更に興味を持ってもらえるか?
ここです。
大家さんに相談できますか?
まず、大家さんと直接話ができるかどうか、大家さんの名前や電話番号を知っているというのであれば、電話して状況を説明し、相談することができます。
しかし、たとえば大東建託などの一括借り上げタイプのアパートの場合は、オーナーが表に出てきません。そもそも大家さんと話すことすらできませんので、「大家さんに直接相談できるかどうか?」ここがひとつ目のハードルといえます。
ココがポイント
大家さんに相談する
ここをクリアして、大家さんと直接話をすることができたとして。(※大家さんに相談できるのであれば管理会社経由でも問題ありません。)
つぎのステップとしては、入居者である「あなた」が高いプロパンガス料金に困っているのであれば、ガス会社の変更もいとわない。大家さんにそういう気持ちになってもらえるかがポイントになります。
そのためにプロパンガスセンターでは、大家さんに向けて「提案書」を作成します。
簡単にいえば、「わたしたちが提携している○○というガス会社に変更すれば、ガス料金をこのくらい安くできるので、入居者の方にも喜んでいただけます。」そういったものです。
物件調査ができますか?
大家さんに提案書を見てもらい、その内容に満足していただければ、料金の安いプロパンガス会社に変更できるのですが、そのためには物件を調査する必要があるのですね。
つまり、あなたが暮らしているアパートを見せていただく必要があるのです。見せていただいた上で、築年数であったり、間取りであったり、色々なことを考慮したうえで、最善の提案書を作成します。
ですので、「ガス会社の変更に興味を持ってもらえるか?」の前段階として、大家さんに「物件調査の許可をもらえるか?」というのがポイントになります。
ココがポイント
大家さんにアパートを調査する許可をもらう
まとめ
ここまでのことをちょっと整理してみましょう。
アパート自体は気に入っている、けれどもガス料金が高すぎて納得いかないから、なんとしても安いプロパンガス会社に変更したい!!! という方は、まずは大家さんに直接相談してください。その際に伝えるのは次のことです。
- ガス料金が高くて困っていること
- プロパンガスセンターが安いガス会社を案内してくれること
- 物件調査の許可が欲しいということ(提案書を作成します)
あなたの行動力で、これらのことがクリアできれば完璧です。
あとは物件(アパート)を調査して、こちらで最善の提案書を作りますので、最終的にはそれを見てもらったうえでの「大家さんの判断」ということになります。
賃貸アパートで暮らしている方から、たくさんのご相談をいただきますが、ただ「ガス代が高いのでなんとかして欲しい。」といわれても、我々としては動きようがないのですね。あなたのアパートに行って、勝手にガスボンベを取り替えるなんてことはできないですから。
ただ、上記したところまでクリアできれば、つまり大家さんに相談することができて、建物を調査する許可さえもらえれば、一歩前進ですし、安いガス会社に変更できる可能性もかなりアップします。
大家さんに相談して、物件調査の許可も貰ったら
ここまでできれば、そのあとは私たちが直接大家さんと話しますので、プロパンガスセンターまでご連絡ください。
-
お問い合わせ
続きを見る
いまの部屋は気に入っている、だけども今の超高いガス料金には、どうしても納得がいかない、我慢できない、引っ越せない理由もある、だから安いガス会社に変更したい!!! という行動力のある方は、ぜひチャレンジしてみてください。
ココがポイント
大家さんに許可をもらったらプロパンガスセンターに相談する
一番の理由は「安く売る必要がない」から
ということで、アパートやマンションなどの賃貸物件だと、どうしてプロパンガスの料金が高くなってしまうのか? その理由と対策について説明してきました。
アパートのプロパンガス料金が、なぜ高いのか? それをひとことで言い表すとすれば「安く売る必要が無いから」ということになるでしょう。
ほかにも理由はいろいろ考えられますが、その最大の要因は何かと問われたら、こういうことになるのです。
ガス会社の視点でみれば、アパートなどの集合住宅の場合は、同業他社に切り替えられる心配がほぼないわけです。戸建と違って。
これは逆に言えば、入居者にプロパンガス会社を選ぶ権利がないということになるわけですが、すると当然、ガスを「安く売る必要が無い」「いくらで販売してもいい」ってなりますよね。
アパートだと働かない「競争の原理」
もちろんほかにもっともな理由もあります。
たとえばガス屋さんはアパートのガス設備に投資しているケースがあります。給湯器などの費用を自己負担している場合がある。そうすると、そういった設備代金を回収しなければなりませんから、必然的にガス代が高くなってしまうというわけです。
ただそういった、もっともな理由を考慮しても、その根底にあるのはやはり「安く売る必要が無い」ということに尽きるでしょう。だって、競争の原理が働いていないのだから。
たとえばスーパーマーケットだって、近隣のライバル店のチラシとかをチェックして、商品の販売価格を決めているはずです。ライバルですから。よそにお客さん取られたくないですから。
でも、そのスーパーマーケットが仮に、町に1店舗しかなかったとしたらどうでしょう。あなたの住んでいる町にスーパーがひとつしかなかったとしたら。
スーパーからしたらライバル不在の状態なわけですけれども、もしそんな状態だったとしたら、ちょっと値段が高かったとしても、そのお店で我慢して商品買いますよね。
アパートのプロパンガス料金が高くなってしまう理由は、これに近いものがあります。
そしておのずと、解決策も似たものになります。
高いガスを使い続けるか、都市ガス物件に引っ越すか
プロパンガス会社に価格の交渉をするというのは、町に1店舗しかないスーパーマーケットに「商品を安く売ってください」と懇願するのに似ています。あまり効果がない。
なので現実としては、料金に納得いっていなくても、我慢してそのお店で商品を買うしかない(割高のガスを使い続けるしかない)し、根本的にどうにかしたいのであれば、お店がいっぱいある地域に引っ越す(都市ガス物件に引っ越す)しかない、というわけです。
アパートなどの集合住宅の入居者は、自由料金であるプロパンガスの購入先を自由に選べないため、こういう不条理が付きまといます。
唯一変更できるとすれば、それは建物の所有者である大家さんが、ガス会社の切り替えを了承した場合だけです。
そのため、アパート暮らしの方が プロパンガスを節約したい といったときは、どうしても片手落ちになってしまう。そもそもの「安いガスを購入する」というところが難しいため、給湯温度を少し下げるとか、なるべく追い焚きしないとか、そういう涙ぐましい努力をする道しか残されていないのです。