こんにちは、GASUMOです。
今回は、これから家を建てるご予定の方、新築を検討している方向けのエントリーです。

こんな疑問を解決します。
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目次
オール電化とガス、どっちがいいのか?
家を新築する際に、オール電化にした方がいいのか、それとも、ガスを併用する暮らしを選んだ方がいいのか、
結論から言いましょう。
それは、あなた次第。
あ、怒らないでください。でも、本当にそう思っています。なにを選ぶかは、あなた次第だって。
仮に、わたしが「こうだ」と思ったことに対して、あなたは180度違う考えをお持ちかも知れない。そういうものですよね。
考えとか、価値観とか、ほんと人それぞれだと思いますから、オール電化なのかガス併用なのか、その判断も、人それぞれです。
それを承知の上で意見を述べるのであれば、オール電化「以外」を選ぶ、というのが結論です。現時点での考えとしては。
順を追って、お話していきますね。
日本国内のオール電化の普及率
まず、現状の確認から。
住宅街をすこし歩いてみるとわかりますが、かつて、ガスボンベや灯油タンクの指定席だった場所に鎮座しているのは、四角い大きな箱、貯湯タンクユニットです。オール電化の家、ほんとに増えました。
日本国内のオール電化の普及率は10%を越えてきているので、いまや10軒に1軒のお宅は、オール電化ということになります。
参考までに、伊藤忠グループのリサーチ会社であるマイボイスコム株式会社のアンケート調査によると、2021年時点で、オール電化住宅に住んでいる人は14.3%、という結果が出たようです。
参考データ:オール電化住宅に関するアンケート調査「MyVoice」
新築住宅のオール電化の割合は?
なるほど、10戸に1戸はオール電化なのね。それはわかった。じゃあ、これから家を建築する場合、新築住宅のオール電化の割合はどうなのか?
こちらは富士経済グループの調査結果を参照させてもらいましょう。
すこし古い、2015年度のデータということですが、見方が間違っていなければ、2015年に建てられたオール電化住宅は30万戸で、その構成比はじつに88.2%。
なんと、10軒中9軒のお宅がオール電化を選んだということです。
9割近いというのは驚きですが、新築のお宅には軒並みエコキュートが設置されているので、体感的には納得です。
参考データ:オール電化住宅と創エネ住宅の動向
もうひとつのデータも興味深いですが、2025年度予測だと、オール電化はさらに増加で構成比17.9%、都市ガスは微増で49.5%、プロパンガス(LPG)と灯油は減少で32.6%となっています。
オール電化(エコキュート)のデメリットと後悔するポイント
ここまで見てみると、オール電化はまだまだ伸びそうだし、世間の流れに右へならえでいくのであれば、もう電化一択じゃないか、そんな気もしてきます。
たしかに、光熱費を一本化できるとか、夜間の安い電気でお湯を沸かせるとか、火を使わないので安心だとか、掃除がラクだとか、オール電化の魅力はいくつもあるわけですが、
ここではあえて、オール電化のデメリット、負の部分、後悔するポイントに注目してみましょう。
設置(初期費用)・交換コストが高い
ボトルネックのひとつは、設置費用、やはりここですね。
オール電化にするためには、キッチンにIHクッキングヒーターを、お風呂にはエコキュートを導入しないといけない。
で、キッチンの方は、ガスを使った場合のガスコンロと、電化にした時のIHクッキングヒーターとで、設置費用にそこまで大差はないので、ここでは一旦スルーしましょう。工事費込みで大体10万円くらいと考えておけばいい。
問題は給湯、つまりお風呂の方ですね。
この給湯器の値段がガスと電気だと全然違っていて、オール電化にした方が、つまりエコキュートの方が断然高い。
まあ、エコキュートと一口で言っても、給湯のタイプであるとかグレードであるとか色々あるので、一概に言えない部分はありますが、ざっくり試算で50万円はかかると思っていいです。
いっぽうガス給湯器だったら、こちらもざっくり試算になりますが、15万円くらいで設置できる。
エコキュートで50万円、ガス給湯器で15万円、この金額はあくまで目安としても、かなり差があるというのは間違いのないことで、エコキュートに対して、ガス給湯器は半額~1/3程度で設置できます。
やはりここは無視できない。
だって給湯器、いつか壊れますからね。しかも、そう遠くない未来に。
いや、エコキュートにしたら、もう50年は安泰です!っていうなら、エコキュート1本ってことになるけど、そうじゃないですから。
エコキュートにしたって、ガス給湯器にしたって、寿命は約10年と考えておいた方がいい。
つまり、オール電化にするにせよ、ガス併用にするにせよ、10年を目安に 給湯器を交換 する必要があるってことです。
ここのコストは意識しておいた方がいいですね。
昼間の電気代が高い
オール電化にして後悔する、もうひとつのポイント、それは「電気代」です。
単価が安くなる夜間の電力を使って、お得にお湯を沸かしましょう!っていうのがオール電化(エコキュート)の売り文句のひとつだと思いますが、
まずそもそも、夜間の電力を割安に使うためには、「夜間お得プラン」のような専用プランに加入する必要があります。
東京電力でいったら「夜トクプラン」、関西電力でいったら「はぴeタイムR」とか「eスマート10」、中部電力でいったら「スマートライフプラン」、などですね。
ここで重要なポイントなんですが、夜間電力がお得になるプランというのは、昼間の電力が割高になるということです。
日中の電気代は割高。
ここ、大事です。
なので、ご自身のライフスタイルと照らし合わせて判断する必要があります。
リモートワーク、テレワークが増えて、家にいる時間、増えたんじゃないですか? かりに、平日の日中は仕事で家にいないとしても、週末はずっと家だよね、みたいなケースも、トータルで見たら実は割高になっている、という場合が全然あり得ます。
暑かったら冷房を入れるし、寒かったら暖房にする。
たとえ給湯には使わなかったとしても、昼間家にいたら、エアコンやら何やら、ふつうに電気使いますからね。
で、昼間もガンガン電気使ってるのに、そっちの方が割高だったとしたら、どうなの? 夜お得にお湯を沸かしたところで、結局どうなの? ということになります。
お湯切れを起こす
これも、オール電化あるある、エコキュートあるあるだと思うのですが、お湯切れを起こす、その可能性とか、心理的なストレスっていうのが、オール電化にするデメリット、後悔するポイントでもあると思うんですね。
ガスとか灯油をつかった給湯器と、電気のエネルギーでお湯をつくるエコキュートでは、お湯の作り方が全く違います。
参考ページ:エコキュートの仕組み(三菱電機)
目には見えない大気中の熱エネルギーを、ヒートポンプと呼ばれる熱交換器に取り込み、その大気熱を自然冷媒(CO2)に集め、その熱でお湯を沸かす・・・
なんのこっちゃかもしれませんが、ともかく、大気の熱をつかってお湯を沸かす、それがエコキュートの特徴であり、つかった電気エネルギーの3倍以上の給湯エネルギーが得られるというのが、最大のメリットであり、「エコ」だといわれるゆえんでもあります。
ヒートポンプ(圧縮機)の仕組み自体は、文句ないです、ほんとにエコだと思います。
ただ、沸かして貯めておいたお湯をつかう、というところが、どうしてもデメリットになりやすい。
エコキュートは、すごく考えられたエコな仕組みを使って、少ない電気で、たくさんのお湯を沸かすことができる。ここはスゴイ。
でも、基本的なところは、夜のうちに次の日必要な分のお湯を沸かしておいて、そのお湯を一日を通して使っていきましょう、という構成になっているので、貯湯タンクに入っているお湯を使い切ったらアウト。そういう側面があります。
つまり、お湯切れ、ですね。
まあ、お湯切れを起こしたら完全にアウトかといえば、そういうわけでもないでのですが、エコキュートの仕組み上、貯めておいたお湯を使い切っちゃったら、またお湯を作るまでに時間がかかります。
ガスとか灯油のように、今すぐアツアツのお湯、というわけにはいかない。
ふだん決まった生活をしていて、決まった人しかお風呂に入らない時なら問題もないでしょうが、盆、暮れ、正月、子どもやら孫やら、家族や親せきがわーっと集まる時期、お湯切れを起こしやすいですね。
このように、お湯切れが起こる仕組み、また湯切れしないかと、お湯の残量を気にする心理的なストレス、こういったところは、エコキュート、オール電化のデメリットといっていいでしょう。
オール電化でリンナイ乾太くん(かんたくん)は設置できない
参考ページ:乾太くんをご検討の方へ「リンナイ」
一度使ったら、もう手放せない!と、ファンも多い乾太くん(かんたくん)。ご存じですかね? ガス衣料乾燥機なんですけど。
正直、大きくて場所も取ります。配管なども必要なので、専門の業者さんに工事をお願いする必要があって面倒です。当然お金もかかります。でも、人気あります。
家の中にコインランドリーがある感覚、天候に左右されることなく、短時間で衣類が乾く。しかも仕上がりはふっくらやわらか。ということで、やみつきになる気持ちよさ、一度使ったらもうやめられないと人気の商品です。
べつに、乾太くん(かんたくん)の回し者でもなんでもないんですけど、忙しいご家庭において、雨の日も気にせず洗濯できて、洗濯乾燥にかかる時間を短縮できるっていうのは、やはり魅力でしょう。
しかも、天日干しよりもふっくらと仕上がるという。
そんな乾太くんですが、当然ですけどオール電化では使えません。ガス衣料乾燥機なので。
ですので、乾太くんを使いたいのであれば、別途ガスを引く必要がある。つまり、オール電化の「まま」では使えない。ということになります。
ガス衣料乾燥機は絶対欲しい!という方は、ここをどう判断するか、ということですね。
エネルギー源として、ガス、つまりプロパンガスか都市ガスを使う必要がある。
乾太くん導入のためだけにガス工事をするのはどうなのか?プロパンガスだったら、基本料金の分だけ割高になりそうだし、目の前まで都市ガスが通ってるってことであれば、そもそもオール電化じゃなくて、都市ガスを引けばいいじゃないか、という話にもなります。
この記事を読んでいる人は、「これから」自宅を新築されるという方だと思いますので、もう一度そもそも論として、オール電化なのか、それともガス併用なのか、検討してみましょう。
まとめ
ということでここまで、家を新築するけど後悔はしたくない!オール電化住宅なのか、それともガスを併用した住宅なのか、どっちがいいの? 問題について、いろいろと見てきました。
ご近所を見てもらえば一目瞭然だとおもいますが、世論というか、いま家を新築される方の風潮としては、圧倒的にオール電化を選択されるご家庭が多い。それは事実でしょう。
関連ページ:後悔するからエコキュートやめとけ!おすすめしないデメリットとは?
また、さまざまな調査結果からも、今後さらにオール電化は伸びる、という予測が出ている。
ここまでオール電化が伸びている背景には、いろいろな要因があるでしょうが、そのひとつに世間では、プロパンガスは高い「と思われている」というのがあると思うのですね。
プロパンガスって、安く使えていれば、そんなに高くないんです。これは事実です。
だけど、アパートなどの集合住宅だと、ガス料金が高くてもどうしようもない、そういう理不尽な側面があることもまた事実でして、そういう、プロパンガスの料金で嫌な思いを経験した人がたくさんいるため、プロパンはとにかく高い!みたいな風潮が、世間に出来上がってしまっている。
で、プロパンガス高い!と思ってる人は、もし自分が家を建てるってなった時は、絶対プロパンだけはやめようって決めてるから(嫌な思いをしてるから)、オール電化を選択する、そういう面が少なからずあるんじゃないかと。
なので、一旦フラットな状態に戻して、もう一度、冷静に検討してみるといいと思います。
もちろんオール電化にはいいところがたくさんあるけど、デメリットもあるし、後悔したって人もいる。設置費用が高かったり、昼間の電気代が割高になるっていうのは、あきらかにデメリットですよね。
ですから、ご自身の生活スタイルをよく見つめなおして、検討した方がいいですね。
平日も土日も、日中はほとんど家にいないし、お湯切れとかも気にならない、っていうなら、オール電化の方がいいかも知れないし、エリア的に都市ガスが選択できて、じつは敷地の目の前まで導管も通っている、っていうなら、都市ガスを選ぶのもあり。
田舎に住んでて都市ガスは選べないけど、どうしても乾太くんは使いたい!っていうなら、もうプロパンガスですね。
いま、もうプロパンガスしか選べない、みたいな言い方しちゃいましたけど、繰り返しになりますけど、プロパンガスも安く使えていれば、都市ガスと比べてもそんなに遜色ないです。
建売ならともかく、これから家を建てるっていう方なら、プロパンガスも全然選択肢に入れていいと思います。
ということで、ちょっと長くなってしまいましたが、オール電化にした方がいいのか、それとも、ガスを併用する暮らしを選んだ方がいいのか、
それは、あなた次第。
じっくり検討してみてください。