プロパンガスの知恵袋

プロパンガスはやめとけ?メリット・デメリットを解説します

こんにちは、GASUMOです。

今回は、プロパンガスの「メリット」と「デメリット」について見ていきます。

 

悩んでいる人
戸建に住んでいます。いまはプロパンガスを使っているのですが、今度目の前まで都市ガスが来ることになり、切り替えるべきか迷っています。

あらためてプロパンガスの長所と短所を確認したうえで、変更を検討したいです。

困っている人
賃貸アパートを探しています。気に入った物件が見つかったのですが、その物件はプロパンガスだということがわかりました。

プロパンガスは高い、やめておけ!という意見も耳にします。プロパンガス物件の利点と欠点を教えてください。

 

こんな疑問を解決します。

 

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目次

【一般論】プロパンガスの「メリット」と「デメリット」

このページでは、プロパンガスという燃料の「メリット」と「デメリット」について解説していきます。

ご家庭での調理や給湯、また暖房などの利用はもちろん、ホテルや飲食店、ハウス栽培の暖房や、理髪店の給湯器、キャンプやアウトドア、お祭りの屋台など、プロパンガスは様々なシーンで活用されています。

このあと、おもに「住宅での使用」に的を絞って、プロパンガスのメリットとデメリットを詳しく見ていきますが、

そのまえに一般論として、プロパンガス(C3H8)にはどんな特徴があるのか、というのを、まずは押さえておきましょう。

 

プロパンガスはやめとけ!?

メリット・デメリットとか、そんなことはどうでもいい、今すぐ「プロパンガスはやめとけ!」といわれる理由が知りたい、

という方は、先にこちらからお読みください。

大事なことなのでこれだけは言わせてください。プロパンガスが悪いわけじゃないです。プロパンガスだから必ずしも高いわけでもないです。

プロパンガスと『ある条件』が重なったとき「やめとけ」と言われる状態になります。

⇒プロパンガスは絶対にやめとけ!と言われる理由

 

プロパンガスのメリット

プロパンガスは「ガス」というくらいですから、当然気体なのですが、「圧縮できる」という特性があります。

圧縮すれば、小さな容器にも多くのエネルギーを充填できるため、効率的にエネルギーを供給できるというメリットがあります。

これはすごいメリットです。だって、圧縮して液体にした状態でボンベに詰めたら、それを運べさえすれば、日本中、どこにいてもガスを使えるわけですから。

山奥とか、ぽつんと一軒家に住んでますとか、島暮らしですとか、関係ありません。ボンベに詰めて運搬さえできれば、プロパンガスが使えます。

 

一般的には、ねずみ色のガスボンベ、あれがプロパンガスというイメージが強いと思いますが、

あのボンベに圧縮した液体状態のプロパンガスを充填することで、運びやすいし、扱いやすい、配管さえ繋げればすぐに使える、という『利便性の良さ、使い勝手の良さ』があります。

使い勝手の良さと繋がるメリットですが、プロパンガスは電力が供給されていなくても使用可能です。

つまり、災害などの非常事態の際に、とても心強いバックアップエネルギーとして重宝されます。

万一の事態でも、ガスボンベと機器を接続さえできれば煮炊きができる、食事やお茶など、暖かいものを口にできる、そういうメリットがあります。

 

プロパンガスのデメリット

つぎは、プロパンガス(LPG)という燃料のデメリットについてですが、まずは「価格の変動」というのを挙げておきます。

関連ページプロパンガスの料金が値上げされる理由

この変動の要因は色々あるのですが、そもそも日本では、プロパンガスの大半を輸入に頼っている、という現実があります。

海外から、外国から、プロパンガスを仕入れているわけです。輸入ですから当然、価格は一定ではありません。

さらに、プロパンガスは自由料金の商品なので、電気や水道とは違い、それぞれのガス事業者が自由に価格を設定して販売することができます。

大元の仕入れ、外国から輸入する段階でも価格が変動するのに、さらに、ガス屋さんの思惑や状況によっても、販売価格が変動する、価格の安定性が低い、そういう商品だということです。

 

もうひとつのデメリットは、メリットの裏返しでもあるのですが、

圧縮してボンベに詰めたらどこでも運べるよー、ガス器具と繋いだらすぐにガスが使えるよー、というメリットがある反面、取り扱いには十分な注意が必要になります。

しばしば、夏祭りの屋台でプロパンガスのボンベが爆発した、というようなニュースを見聞きすることがありますが、

可燃性のガスですから、適切な設置、取り扱いが出来なければ、火災等のリスクが高まります。便利な反面、取り扱いには十分な注意が必要ということです。

 

 

物件種別ごとに見るLPガスの「良いところ」と「悪いところ」

プロパンガスと都市ガスは、供給方法も違えば、料金体系も違いますが、住まいの居住形態によって、メリット・デメリットも変わってきます。

そこで、都市ガスと比べて、プロパンガスにはどんな長所と短所があるかというのを、

「一戸建て住宅(持ち家)」、「賃貸住宅(アパート)」、「分譲マンション」の3パターンに分類して解説します。

また、利点と欠点を解説したうえで、さらに『こうしたらどうでしょうか?』という提案もしているので、プロパンガスと都市ガスを選ぶ際の、ひとつの検討材料にしてもらえたらと思います。

 

 

一戸建て持ち家におけるプロパンガスのメリット・デメリット

プロパンガスの長所

  • 運ぶことさえできれば、どこでも使える
  • 自然災害時の復旧が早い
  • イニシャルコスト(初期費用)が安い

 

運ぶことさえできれば、どこでも使える


プロパンガスの長所といえば、なんといってもこれでしょう。

難しい言い方をすると「可搬性に優れている」ということになりますが、ともかく、ガスをボンベに詰めることで、持ち運んだり移動させたりすることが可能です。

 

当然ながら、平らな土地ばかりではありません。山もあれば谷もあるし、島だってあります。

日本国内のあらゆる地域の地下に、ガスの導管を張り巡らせることは現実的ではありませんが、ガスボンベであれば運搬が可能です。

 

もちろん人の手によって運ばれるので、そこには人件費やガソリン代などの配送費がかかってきますが、

とにもかくにも、持ち運んでガス機器とつないであげれば、日本中どこであろうと使える。

これがプロパンガスの最大のメリットのひとつです。

 

自然災害時の復旧が早い


これは、どこでも使える、をまた別の側面で見たメリットです。

プロパンガスは構造がシンプルです。ガスボンベを運んで、機器と接続さえできれば、とりあえずはガスが使える。煮炊きができる。

これは万が一の自然災害時などに助かります。

 

実際、甚大な被害をもたらした2011年の東日本大震災のときも、一番早く全面復旧したのは、プロパンガス(LPガス)でした。

参考ページ東日本大震災を踏まえた今後のLPガス安定供給の在り方に関する調査

 

災害が起きて、混乱している状況下において、迅速にガスが使えるようになるというのは、大きなメリットです。

すぐに普段通りの生活にもどるのは難しいとしても、わたしたちは日々、食事をしなければならないし、温かいお茶も飲みたい。

万が一の災害時、プロパンガスはそれを可能にしてくれます。

 

イニシャルコスト(初期費用)が安い


これもプロパンガスの大きな利点のひとつです。

都市ガスのようにガス導管で接続する必要がありません。ガスボンベさえ運べれば、国内どこでも使用可能です。

ガスを使えるようにする、その部分にのみ焦点を当てるならば、プロパンガスはほとんどコストを必要としません。

 

公共料金の都市ガスは、価格も一律だし、安い。しかし導入費用が高い。ガス管を地中に埋設しないといけない。

導管を引き込むのに、1メートルあたり1~2万円ほどかかります。

この初期費用のところが都市ガス導入のデメリットであり、イニシャルコストの面ではプロパンガスに軍配が上がります。

 

プロパンガスの短所

  • 都市ガスよりも高い
  • 料金が不透明なケースがある(料金の公開は義務ではない)

 

都市ガスよりも高い


先述したイニシャルコストの裏返しのようになりますが、日々の維持費、ランニングコストの面では、プロパンガスの方が高い。都市ガスに軍配が上がります。

その要因のひとつは、配送費 ですね。

 

ガスを使うためには、ガスボンベをトラックで運んで、それぞれのお宅に設置しなければなりません。

また当然使えばなくなりますから、定期的にガスボンベを入れ替える必要もあります。

車代、人件費、ガソリン代などの費用が掛かります。これらがガス料金に上乗せされるため、どうしても高くなってしまう。

これは構造上仕方のないことです。

 

料金が不透明なケースがある


プロパンガスは自由料金の商品です。それぞれのガス会社が、自分たちの好きなように価格を設定し、販売しています。

さらに、料金の公開は義務ではないため、ホームページ上で価格を発表している会社は今までほとんどありませんでした。

つまり、どのガス屋さんがいくらで販売しているのか、消費者には見えない わけです。

 

経済産業省から指導が入り、状況は少しだけ改善。ホームページ上で料金を公表している事業者が増えましたが、

「標準料金」というオブラートに包まれた数値が掲載されているだけで、実態をつかめないのであまり意味はありません。

プロパンガスは自由料金です。だれに、いくらで売ってもいい。一律価格じゃなくてもいいのです。

Aさんには単価300円で販売し、となりのBさんには倍の単価600円で売る。それもガス会社の自由。

 

倫理的に、道義的にどうなんだ、そんなの不誠実じゃないか、と思うかもしれませんが、

どこの誰にいくらで販売しようと、いついくらの値上しようと、ガス会社の自由です。

販売価格が一律でないうえに、料金を公開する義務もないため、プロパンガス会社ごとに価格を比較 することが難しく、料金が不透明なケースがある。

これはプロパンガスの欠点です。

 

新築でプロパンガスを選ぶメリット

こらから家を新築するというときに、プロパンガスを選択するメリットは『ガス屋さんを自由に選べる』、ということでしょう。

当然と言えば当然なのですが、建売住宅などですと意外とガス会社が決まっているというケースも多いのです。

プロパンガスは自由料金制ですから、ガス屋さんによって販売価格が全然違います。

安いガス会社を選べば、都市ガスと比べてもそこまで遜色ない価格でガスを利用できるので、安くて信頼できるガス屋さんと契約することが大事です。

 

オール電化とガス併用はどっちがいいか? ここは意見が分かれるところですが、ガス併用でLPガスをお使いになりたいということであれば、お気軽にお問い合わせください。

私たちプロパンガスセンターがお力になります。

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賃貸住宅(アパート)におけるプロパンガスのメリット・デメリット

プロパンガスの長所

  • なし

残念ながら、アパートなどの賃貸住宅において、使用するガスがプロパンガスであることのメリットはありません。

しいて言うなら、家賃が少し安いことがある、という点が挙げられるかもしれませんが、ここは分けて考えるべきでしょう。

「賃料」と「ガス代」は別のものですから。

 

プロパンガスの短所

  • 料金が高いことが多い
  • 価格交渉できない
  • ガス会社の変更ができない

 

料金が高いことが多い

さまざまな理由が考えられますが、戸建住宅とくらべて、アパートなどの賃貸住宅のガス料金は高い傾向にあります。

 

価格交渉できない

かりに、ガス代が高く、現在の料金設定に不満があったとしても、ほぼ価格交渉はできません。

正確に言うと、交渉できないのではなく、交渉を試みたところで相手にされない、というのが現実です。

 

ガス会社の変更ができない


料金が高い、サービスが悪い、なにか不満があったとしても、入居者の一存でガス会社を変更することはできません。

ここが賃貸住宅におけるプロパンガスの短所の根本部分です。

すべてのデメリットの元といってもいい。

 

アパートの場合は、もしガス会社を切り替えるとなったとき、建物全体で変更する必要があります。

そしてその権限を持っているのは、アパートの大家さん、オーナーだけです。

実際にガス会社と契約し、日々ガスを使うのは入居者ですが、その入居者は自分が使うガス会社を選べません。

 

アパートの入居者は、決められたガス会社を利用するほかない。いっぽうプロパンガス会社は、いくらで販売してもいい。

どうして価格交渉しても相手にされないし、料金が高くなりがちなのか、これでおわかりでしょう。

 

プロパンガス物件はやめとけ!と言われる理由


アパートを探していて、プロパンガスの物件だけは、やめとけ! というような話を耳にしたことがある方も多いでしょう。

先述した、賃貸住宅におけるプロパンガスの欠点、これがそのまま、プロパン物件はやめとけ、と言われる理由になります。

 

一人暮らし向け賃貸でプロパンガス物件を選ぶメリットはない

繰り返しになりますが、プロパンガスというのは自由料金の商品です。

売り手であるガス会社は、だれにいくらで販売してもいい、そういう商品なんです。

にもかかわらず、アパートの入居者は、どこと契約するか、どのガス会社にするか、その購入先を選ぶことができません。

すごく不合理ですね。

 

本来なら、料金が高くて不満なら「もうお宅のガスは使わない」と、ガス屋さんを突っぱねていいわけです。

別のガス会社に乗り換えればいいわけですから。

でもアパートだとそれができない。気に入らなくてもガス会社の言い値で買うしかない。

そういうある意味、理不尽な経験をした方がたくさんいるため、『プロパンガスの物件だけはやめとけ!』、という声が広がっているのでしょう。

 

気に入った賃貸物件がプロパンガスだったら

賃貸アパートを探していて、気に入った物件が見つかったんだけど、ガスがプロパンだった。そんな場合はどうしたらいいのか。

 

まず賃料に関しては、似たようなスペックであれば、都市ガス物件の方が割高になっていることが多いです。その差は5千円から2,3万円といったところでしょうか。

ですので、賃料や光熱費、駐車場などの料金も併せて金額を総合的に見て、プロパンガス物件と都市ガス物件、どちらの方が割安になるか、検討することなると思います。

 

で、生活に密接にかかわることなので、トータルで見て金額的にどちらがお得になるか、というのは当然重要なのですが、賃貸のプロパン物件における不合理を心理的に受け入れられるか、というのも大事なポイントです。

安い人は単価300円で購入しているものが、単価600円、700円、あるいはもっと高いかも知れない。でもガスを使いたければ、その料金でそのガス会社と契約するしかない。

 

ポイント

・料金が高いことが多い
・価格交渉できない
・ガス会社の変更ができない

この状況に納得できるか、ということです。

 

そういうのは納得できない、という方は、賃料が5千円、1万円高くても、都市ガス物件を選んだ方が気持ち的にスッキリすると思います。

 

 

分譲マンションにおけるプロパンガスのメリット・デメリット

プロパンガスの長所

  • ない

分譲マンションで使用するガスが、プロパンガスであることのメリットは、特にありません。ただし、料金が都市ガス並みに安いというケースはあるでしょう。

 

プロパンガスの短所

  • 独断でガス会社を変更できない(理事会の承認が必要)

これは、アパートなどの賃貸住宅とも状況が似ているのですが、

いま契約しているガス会社のサービス、対応が悪かったり、料金が高いと感じていたり、何かしら不満があったとしても、あなたの一存で、業者変更することができない。

ここが分譲マンションにおけるプロパンガスの大きな欠点です。

 

ただしこれは、プロパンガスのデメリットというよりは、集合住宅ゆえの、分譲マンションゆえのデメリット といってもいいでしょう。

これは、かりに現在、都市ガス事業者と契約していたとしてもしかりで、分譲マンションには管理組合がありますが、その理事会で、マンション住人の同意、了承を得る必要があります。

あなたひとり、独断で決定していい場合と比べて、手間も時間もかかるし、面倒だというのは想像に難くないでしょう。

 

 

プロパンガスの「良い点」と「悪い点」を踏まえての提案

さてここまで、「一戸建て」、「アパート」、「分譲マンション」と、住まいの居住形態ごとにプロパンガスのメリットとデメリットを見てきました。

次は、その長所・短所を鑑みたうえで、こうしてみてはいかがでしょうか? というアドバイスをお伝えします。

 

一戸建てなら安いプロパンガス会社を選ぶ

一戸建て住宅にお住まいであれば、自由に業者を選定して変更することができますので(貸与契約などがなければ)、

プロパンガスだからといって、さほどネックになるような欠点はありません。

ですので、安いプロパンガス会社を選んで契約すれば何の問題もありませんが、もし都市ガスの引き込みが可能な地域なのであれば、

一度見積もりを出してもらって、プロパンガスにするか都市ガスにするか比較検討しても良いかも知れません。

 

都市ガスの場合、ガス管の引き込み費用が1メートルあたり1~2万円ほどかかります。

東京ガスの工事費の参考事例がありますので参照しておきますが、この例では、敷地の前面道路までガス管が来ていて、9メートルの引き込みで、費用が約15万円となっています。

 


参考ページ一戸建住宅の新築に伴うガス工事の費用:東京ガス

 

さらに、プロパンガスから都市ガスに切り替える場合は、ガス機器をそのまま使うことができませんので、給湯器やガスコンロの変更も必要になります。

対応としては、いま現在使っているガス機器を都市ガス仕様に変更するか、もしくは、新しく都市ガス用のコンロや給湯器を買いなおすか、いずれかですね。

 

ガス機器の製造メーカーが、都市ガスへ対応させる部品を扱っていれば、ガスコンロは1万円程度、給湯器は3万円程度で、都市ガス仕様に変更可能です。

給湯器とガスコンロ、両方の買い替えとなると、ざっくりですが20万円程度は見ておいた方がいいでしょう。

 

これら、都市ガスを導入するのにかかるイニシャルコスト(初期費用)と、プロパンガスから都市ガスに変更したことによる、ランニングコスト(日々の維持費)の削減、

ここを天秤にかけることになります。

都市ガスの導入にかけた費用を、10年とか20年で回収していくイメージです。

 

以前、プロパンガスと都市ガスを比較 した際に試算しましたが、

プロパンガスの相場価格と都市ガス(東京ガス)の料金を比べると、およそ1.7~1.8倍の差がありました。

都市ガスに比べて、プロパンガスの相場価格の方が、1.7~1.8倍ほど高い、という結果です。

 

これに対して、もし、プロパンガスを最安価格で購入することができた場合、

相場価格(平均値)ではなくて、もっとも安く買えたケースで試算してみると、その差が「1.12倍」まで縮まりました。

プロパンガスの方が都市ガスより、1.12倍高い、という結果です。

 

いずれにしても、ランニングコストの比較では都市ガスに軍配が上がります。

ですが、プロパンガスでも安く購入できていれば、都市ガス並みの価格で利用することができる。

さらに、都市ガスを導入するには費用が数十万円かかる。

これらを合わせて考慮することになります。

 

数十万円の初期費用をかけても、やはり都市ガスに変更したい、という決断になるかもしれないですし、

いやもし、プロパンガスと都市ガスの価格差が、かりに1.2倍程度に抑えられるのであれば、安いプロパンガス会社に変更できれば、それでいい、という判断になるかもしれません。

イニシャルコストの増加と、ランニングコストの削減、さらにプラスして、工事の手続きやら諸々の手間暇、こういったことを合わせて天秤にかけて、検討してみてください。

 

アパート・賃貸住宅なら都市ガス物件の方がガス代はフェア

今後引っ越す予定で、アパートをいろいろ探している。で、気になる部屋をいくつか見つけたけれども、都市ガス物件とプロパンガス物件、どっちにするか迷っている、というケース。

この場合、ガス料金の面で言うならば、圧倒的に都市ガス物件の方がいいです。120%いいです。

 

なぜなら都市ガスは公共料金で、一律価格であり、持ち家だから、借家だから、アパートだからといって、料金が変わることがないからです。

あなたは一律に決められた単価で、使った分の料金を支払えばいいだけ、フェアです。ガス代のことで嫌な思いをする心配がありません。

 

ただ、間取りや設備、駅からの距離や築年数など、条件をそろえて比較すると、おそらく都市ガス物件の方が若干家賃が高い設定になっているケースが多いでしょう。

ここをどう判断するかです。

 

ガス料金が読めない、ガス会社の言い値で買うしかないプロパンガス物件を選ぶか、家賃はすこし割高になるけど、公共料金で一陸価格の都市ガス物件を選ぶか。

賃料とガス料金の不合理、ここを天秤にかけることになるでしょう。

家賃の安さが、プロパンガスの見えないガス料金、ガス会社の言い値で購入するしかないという状況を許容できるか、それとも家賃は多少割高でも、フェアなガス料金の都市ガスを選ぶか。

 

地方で周りにはプロパンガスのアパートしかない、というケースもあるでしょう。

この場合はどうしようもないので、プロパンガスの物件を選ぶことになりますが、暮らしてみて本当にガス代が高い、

もうとにかく、我慢できないほど高い、ということであれば、プロパンガスを解約する という選択肢も選べます。

 

分譲マンションなら管理組合で理事会を開く

分譲マンションは、当然持ち家ではありますが、ことガス会社の選択や変更おいて、成功するかしないかはともかくとして、手間暇や労力という面で言うと、賃貸アパートとあまり変わりません。

なぜなら、建物全体の問題になるので、あなたの一存で決めることができないからです。

 

ですからここは、プロパンガスだからというよりは、集合住宅ゆえの、分譲住宅ゆえの「しがらみ」というか、不自由さということになるかと思いますが、

ともかく何をするにも、マンション全体に影響を及ぼすようなことに関しては、独断でどうこうできません。

いま契約しているガス会社のサービスや料金に不満があるのであれば、マンション管理組合で理事会を開き、そこでマンション住人の同意、承認を得たうえで、話を進める必要があります。

手間はかかります。時間もかかります。面倒だと思います。

 

ですが、集合住宅ではありますが、分譲住宅は持ち家であり、一戸一戸、それぞれのお宅はオーナーですから、

意見を取りまとめたときの重みは、アパートとは違います。所有者ですから力があります。

気に入った分譲マンション、もしくは、いま暮らしている分譲マンションではプロパンガスが入っていて、料金やサービスに不満を感じるということであれば、

十分に解決することが可能ですので、労力はかかったとしても、マンション管理組合で理事会を開きましょう。

 

 

まとめ

ということでここまで、プロパンガスのメリット・デメリットを住宅種別ごとに見てきました。

一戸建て住宅(持ち家)、賃貸住宅(アパート)、分譲マンション、住まいの居住形態によって、燃料がプロパンガスであることの利点と欠点はがらりと変わります。

 

分譲マンション

まず分譲マンションでは、プロパンガスであることのメリットは特にありませんが、逆に、プロパンガスだから、というデメリットも特に見当たりません。

ただ何にしても集合住宅ですから、なにをするにしてもマンション管理組合を通して、理事会によって物事を決めていく必要があるため、その点において、手間暇、労力がかかるということが挙げられます。

 

アパート

つぎ、アパートなどの賃貸住宅の場合、プロパンガス物件だというのは、ガス料金に関して大きなデメリットとなります。

なぜなら賃貸住宅において、入居者がガス会社を変更することは、ほぼ不可能だからです。つまり、ガス会社の言い値でガスを購入するしかない、そういう状況です。

これは非常に不合理です。

 

通常、自由料金の商品を売買するときは、売り手は自分たちの好きな値段を設定して販売できますが、同様に買い手も、どこのお店から商品を購入するのか、自由に選べるものです。

あそこのガソリンスタンドが安いから、今日はあっちで給油しよう、買い手もそういう自由な選択ができないといけない。

 

 

しかし残念ながら、アパートの入居者に、自分が契約するガス会社を選択したり、業者変更したりする権限はありません。

料金が高くても、サービスに不満があっても、決められた業者と契約するしかない、そういう非常に窮屈な状況になっています。

結果的に、アパートなどの賃貸住宅ではガス料金が高いケースが多く、また、価格交渉などしてもほぼ無意味なため、結局、ほとんどの入居者は泣き寝入りするしかないというのが実態です。

 

一戸建て

いっぽう、戸建の持ち家の場合、状況はがらりと変わります。

なぜなら、集合住宅のときのデメリットが、欠点ではなくなるからです。

いいんです、自由料金の商品なんですから、いくらで販売しようと、それはガス屋さんの自由ですし、なにも問題ありません。

 

問題なのは、その自由料金の商品をどこから購入するか、自由に選べない、ということ。

ですから一戸建ての持ち家の場合は、このデメリットは消滅します。

いま契約しているプロパンガス会社に不満があれば、料金が高いと感じるのであれば、変更すればいいだけです。

家主であるあなたには、その権限があります。

 

で、都市ガスとプロパンガスで迷っているのであれば、都市ガスを導入するためにかかる費用(イニシャルコスト)と、

プロパンガスから都市ガスになることで、月々のガス代(ランニングコスト)がどのくらい削減できるのか、ここを見ましょうというお話をしました。

かりに敷地の目の前まで都市ガスの導管が来ていたとしても、1~2万円で都市ガスに切り替えられるわけではありません。

 

ガス管の引き込み工事費、それからガスコンロや給湯器などのガス器具、これらを交換ないし調整しないといけませんから、予算として数十万円はみておく必要があります。

都市ガスの導入費用として、たとえば40万円かかったとすると、それを10年とか、20年かけて回収していく。

 

 

かりに、都市ガスの年間のガス代が10万円で、プロパンガスのガス代が、それより1.2倍ほど高い12万円だったとすると、年間の差額は2万円です。

プロパンガスから都市ガスにすることで、イニシャルコストは40万円かかったけれど、ランニングコストを年間2万円ほど削減できた。ということになります。

このケースで言えば、40万円 = 2万円 × 20年 ですから、20年で導入費用を回収、トントンになる計算です。

 

何十万円もお金が必要だし、トントンになるのに20年もかかるんだったら、安いガス屋に変更すれば、それでいいじゃないか、という判断になるかも知れない。

いや、せっかく目の前まで都市ガスが来てるんだから、このタイミングで切り替えよう、という判断でもいいと思います。

 

状況はそれぞれだと思いますので、一概には言えないですね。このあたりをよく吟味して、プロパンガスにするか、それとも都市ガスにするか、検討してみてください。

 

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