
こんにちは、GASUMOです。
今回は「エコキュート」に関するエントリーです。

いまはガスでお風呂を沸かしているのですが、建て替えるにあたって、エコキュートにするかどうがで迷っています。

光熱費が安くなるのは魅力ですが、実際のところどうなんでしょうか?
こんな疑問を解決します。
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オール電化といったらエコキュート。家の一角には、例の長方形のボックスが鎮座しています。
ここ20年で、エコキュートを使っているお宅、かなり増えたんじゃないでしょうか。
ちなみに、ヒートポンプ・蓄熱センターによりますと、家庭用 自然冷媒ヒートポンプ給湯機「エコキュート」の累計出荷台数が、なんと900万台(2023年8月)を突破したそうです。

「エコ」な「給湯」だからエコキュート? いま家を新築するならオール電化(エコキュート)でしょ!
いろんなご意見あると思うのですが、一番にあるのはやっぱり「後悔したくない」ってことですよね。
安い買い物じゃないですから。
そこでこのページでは、エコキュートってどうなの? ということについて、あらためて見ていきたいと思います。
独断、偏見、大いに含まれている可能性がありますので、あくまでも参考ということで、よろしくお願いします。
目次
「エコ」な「給湯」だからエコキュート?
まずそもそもなのですけど、エコキュートってなんなんでしょうか?
今回は東京電力の図を参考にさせていただきましょう。
自然冷媒ヒートポンプ給湯機
正式な名称は「自然冷媒ヒートポンプ給湯機」というそうで、「エコキュート」っていう呼び名は、関西電力が登録商標している「愛称」らしいです。

参考ページ:【図解】エコキュートとは? 仕組みやガスとの違いをわかりやすく解説
で、どういう仕組み、どういう理屈でお湯が沸くの?というところなんですが、ひとことで言うと「大気の熱を活用しましょう!」ってことですね。
大気にも「熱」があります。まずはそれを冷媒に取り込む。
そして「気体を圧縮すると温度が上がる」という性質を利用して高温を作り出し、お湯を沸かす。そういう仕組みです。
興味がある方はいろいろ調べてみるといいと思いますが、電気で直接お湯を沸かすというよりかは、
空気を取り込んだりとか、冷媒を圧縮したりとか、そういう部分で電気を使う。
そうすると、とても効率的に熱エネルギーを生み出すことができる、少ない電気でたくさんのお湯を沸かすことができる。
ここが「エコ」で「省エネ」と言われる理由ですね。
エコキュートのメリット

光熱費がお得になる
ということで、まずはエコキュートのメリットに注目したいと思いますが、なんといっても「光熱費が安くなる」、ここが最大のポイントですね。
・少ない電気でたくさんのお湯を沸かせる
これまであった電気温水器などと比べて、電気の消費量が減るので、結果、電気代が安くなります。
また、プロパンガスや都市ガスなど、ガスを使った給湯と比較すると、お風呂に使っていたガス代がまるっといらなくなるわけで、ガス代の削減にもつながります。
では光熱費はどのくらいおトクになるのか?
三菱電機のサイトに便利なシミュレーションがありましたので、今回はこれを参考にさせていただきましょう。
【1】4人家族で、【2】東京電力(プラン「スマートライフL」)を使っていて、【3】給湯器は都市ガス(東京ガス)のエコジョーズ、という設定です。

参考ページ:給湯光熱費かんたんシミュレーション:三菱電機
このシミュレーションに従うならば、年間で約35000円ほど、光熱費を削減できることになります。
電気代が増えて、ガス代が減った、その差額が年間35000円、月額でいうと約2900円ほど、コストカットできた計算です。
同じ条件で10年使ったならば、35万円もの光熱費をカットできます。結構大きいですよね。
新築でエコキュートを選択する、あるいは、ガス給湯器からエコキュートに買い替えることで、光熱費が何十万円もお得になる、大きなメリットです。
エコで省エネなエコキュート。少ない電気でたくさんのお湯を沸かすことができる。素晴らしいですよね。研究開発の賜物です。
一見すると何の問題もないように思えますけれども、じゃあどこがネックなのか、後悔する可能性、デメリットはないのか、
という「負」の方向に目を向けると、やっぱり見えてくるんですね、デメリットも。
ランニングコスト・給湯光熱費のシミュレーション
| メーカー | シミュレーション |
| 三菱電機 | 給湯光熱費かんたんシミュレーション |
| パナソニック | 低ランニングコスト |
| ダイキン工業 | 電気料金について |
| コロナ | コロナエコキュートの特長 |
| 日立 | 給湯光熱費かんたんシミュレーション |
エコキュートのデメリット

導入費用が高い
エコキュートは導入費用が高い。
最大の要因は、ここでしょう。
商品のグレードとかもあるので一概には言えないのですけど、まず本体価格が高い。
さらに設置するための工事費用も、基礎工事に水道工事に電気工事、結構かかります。2~3万で済む工事じゃないです。
状況もまちまち、商品もピンキリなので「いくら」という価格は提示しにくいのですが、
あえて目安を示すとするならば、工事費込みで「50万円」は見ておいた方がいいでしょう。
まあ、安い買い物じゃないですよね。
エコで省エネなのは魅力なんだけど、導入費用が高いというのが、エコキュートのデメリットのひとつです。
交換費用が高い(寿命がわからない)

エコキュートって、比較的新しい技術です。たしか2000年くらいに誕生したものだと思いますけど。
そんなこともあり、歴史がないわけですね。だから耐久性などについても、はっきりしたことが言えない。
一般的には、エコキュートの寿命は10年とか、15年とか言われていますけど、もっと早く不具合がでたり故障したりするケースもあるでしょう。
もちろん給湯器なので、使用頻度とか、普段どういうふうに使っているのかとか、そういう要素も無視できないと思いますけれども。
ともかく、新しい技術で歴史も浅いので、導入したエコキュートがいつまでもってくれるのか、よくわからんわけです。
で、現時点での目安として「エコキュートの寿命は10年くらい」という想定をしたとすると、
交換するたびに、つまり10年ごとに50万円の出費を見越しておかないといけないわけで、
前項の導入費用が高いというデメリットが、そのまま交換のタイミングごとに横滑りしてくる感じになります。
残湯量がストレス
エコキュートは貯めたお湯を使う仕組みですから、一度なくなってしまう、使い切ってしまうと、お湯を作るまで時間が掛かります。
タンクの大きさ(容量)や家族構成などにもよりますが、「お湯の残量を気にしながら使うのがストレスだった」という後悔談も耳にします。
その点、ガス給湯器は都度お湯を沸かすわけですから、湯切れの心配、お湯の残量を気にする必要はないわけで、こういったところもエコキュートのデメリットといえるかもしれません。
電気代が高い
ここも意外と無視できないポイントでして。
エコキュートの売り文句(魅力)のひとつが、単価が安くなるお得な夜間電力を使って、お湯を沸かしましょう!ということだと思うのですが、
夜間の電力を割安に使うためには、「夜間お得プラン」のような専用プランに加入する必要があるのと、逆に、
『日中の電気代は割高になってしまう』という欠点があります。
つまり、生活のスタイルを、しっかりと見ていかないといけない。
リモートワークやテレワークで、じつは昼間も意外と家にいることが多いと。
そうなりますと、当然暑ければ冷房をつけるし、寒かったら暖房器具を使う。
エアコンやら何やら、家にいるだけで色々電気を使いますから、お得に節約できるはずだった電気代が、逆に割高になってしまう、そういうケースも十分にあり得ます。
後悔するからエコキュートやめとけ?

ということでここまで、エコキュートのメリットとデメリットについて見てきました。
大気中にある熱を有効に活用してお湯を作り出そうという「自然冷媒ヒートポンプ給湯機」という発想や、それを実現させた研究、技術は本当に素晴らしいものだと思います。
ガス給湯器と比較して、光熱費が年間で何万円もお得になるという事実にも驚かされます。
エコキュートを選択することで、光熱費を大幅に減らせる、お得になる、というのは本当だし、まぎれもない最大のメリットといえます。
ただ一方で、導入費用が高いというデメリットもある。
ざっくり試算でも約50万円かかるので、ガス給湯器の約「15万円」と比べると、3倍くらい高い。
そして導入費用が高いということは同様に、寿命が来て交換するときにも同じくらいの費用が掛かると想定されるわけで、10年ごとにドカッと50万というのは、やはり無視できない。
このあたりをどう見ていくか、ということになりそうです。
イニシャルコストを取るか、ランニングコストを取るか
つまり、ガス給湯器とエコキュートを比較したときに、イニシャルコストはガス給湯器の方が安いんだけど、ランニングコストはエコキュートの方が安いと。
で、どっちを選ぶ?という感じで、ここは好き嫌いの問題というか、トータルで見ると、そこまで大きな違いは出ないような気がします。現時点では。
先の三菱電機のシミュレーションでは、年間で約35000円の光熱費カットなので、月々にならすと2900円くらいお得になる。
つまりランニングコストの面では、月額で約3000円くらいお得だと。
いっぽうイニシャルコストの面では、10年ごとに給湯器の交換が必要だとして、ガス給湯器だったら15万円で済むところが、エコキュートだと50万円かかる。
年間35000円お得になった光熱費は、10倍したら35万円なので、エコキュートの初期費用50万円から差し引くと、ぴったり15万円。
なので、このシミュレーションに合わせると、10年経ったら、どっちも一緒じゃん、という感じになるわけで。
「生活スタイル」や「好み」で決める

これに加えて、生活のスタイルであったり、単純に「好き嫌い」、好みの問題もあるでしょう。
デメリットのところで述べました「お湯の残量を気にするストレス」。
これはタンクの容量(サイズを大きくすれば)によって変わってくるかもしれませんが、「貯めたお湯を使う」という仕組みは同じですから、そういう使い方がなんか嫌、ということもあるでしょうし、
「わたしはガスの火で調理したいんだ」とか「とにかくフライパンを振りたいんだ」なんて方もいらっしゃるでしょう。
そういう『好き嫌い』とか、『好み』『自分の感覚』に従って決める、というのも悪くないと思います。
都市ガスとプロパンガスでも結果は違う

で、今回のシミュレーションは「都市ガスのエコジョーズ」だけど、「プロパンガスのエコジョーズ」だったらどうなの?
ということでいくと、石油情報センターの数字を使っているので、あまり参考にはならないのですが、
それでも都市ガスと比較したら、プロパンガスの方が高い傾向にあるのは間違いないので、差額はもっと広がりますね。
なぜプロパンガスの相場価格(石油情報センター公表の料金)と比較してもあまり参考にならないのか?については、こちらのページをご覧ください。
参考ページ:プロパンガス料金比較!一番安いプロパンガス会社を選びたい
つまり、年間35000円の差額(エコキュートを選んでお得になる金額)が、4万円、5万円・・となる可能性はある。
なので選択肢として、プロパンガスしか選べない地域で、エコキュート(オール電化)にするか、ガスにするか迷っているならば、
初期費用(交換費用)はかかったとしてもエコキュートの方がお得、という結果も十分に考えられます。
エコキュートおすすめしない?
ということで、ちょっと歯切れが悪いですかね。
また、少々釣りっぽいタイトルにしたことも合わせてお詫びしたいとおもいますが、イニシャルコストや交換の費用が大きいことに目をつむれば、エコキュートの選択も悪くないと思います。
それと、金銭的なメリット・デメリットはもちろんなのですが、前からオール電化の暮らしに憧れがあったとか、
もしそういうものがあるのだとしたら、その想いや気持ちも、大事になさってください。